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俳句漫評11 若山牧水
沼津市の千本松原に「沼津市若山牧水記念館」がある。彼の経歴を紹介したパネルに、若いとき短歌は勿論、俳句も詠んだとあった。『若山牧水全集』をみても、短時間では探し出せなかった。そこで、文芸員に訊いてみたら、即座に彼の俳句十九句のコピーをくれた。
もっと多いのであろうと思っていたが、ほかは良く知られていないそうだ。その幾つかを鑑賞しよう。
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2008/07/19 09:44 |
俳句漫評10 秋山真之
司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読まれた方は、秋山真之を十分承知であろう。ロシアのバルチック艦隊を撃破した日本聯合艦隊の作戦参謀として、
天気晴朗なれども波高し
の電文で有名である。松山の出身で正岡子規とは大の仲良し。東京では一緒に下宿をしたり、病臥中の子規を見舞ったりした。餓鬼大将だった真之には、松山の少年たちを惹きつける魅力があり、高浜虚子や河東碧梧桐も子供のころから憧れていたという。
子規と深い交流のあった真之のことだから、きっと俳句が多く遺されているに違いないと思い、調べてみ...
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2008/07/10 21:17 |
俳句漫評9 川端龍子
修善寺温泉の新井旅館は文人画人がよく泊まったことで知られているが、川端龍子も毎年訪れる客の一人だった。そればかりでなく龍子は修禅寺の檀家でもあった。以前、修禅寺の宝物殿を見学したとき、龍子による龍の天井画があったのを思い出す。島根の足立美術館には紅葉の紅鮮やかな水面に鴛を描いた「愛染」や、サイパンの戦士へ捧げる「獻華」なる牡丹が眩いほどであったのも覚えている。大田区には龍子の記念館がある。
龍子が俳句を嗜んでいたということを以前知ったが、このことは異母弟の川端茅舎との血の繋がりを連想させて...
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2008/06/29 09:25 |
俳句漫評8 中村吉右衛門と新井旅館
初代中村吉右衛門は幸四郎の祖父、松たか子の曽祖父である、といえば身近に聞こえるだろうか。歌舞伎「熊谷」などが有名で、悲劇の主人公をやらせたら右に出る役者はほかにいなかったという。
吉右衛門はホトトギスに属し、同人として句集を三冊上梓している。俳号は秀山。当然、役者としての句がある。
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2008/06/23 07:43 |
俳句漫評7 寺田寅彦
地震学者としても知られていた寺田寅彦は、関東大震災のすぐあと神奈川県の秦野市を視察した。丘陵の一部が陥没し、湖となったのである。「震生湖」と名づけられて、寅彦の句碑がある。
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2008/06/17 20:03 |
俳句漫評6 赤尾兜子
昭和五十六年三月、赤尾兜子は生と死の間を彷徨っていた。三橋敏雄に宛てた葉書には、「・・・高柳(重信)氏から御聞き及びと思いますが、どうも体調イケマセン。思えば、ながくおつきあい願いました。もう顔を合わせる機会(元気で)があるかどうか、人間の健康って薄紙のようなものですね。寂しい兜子です。酒がノメマセン・・・」とあった。そして三月十七日、踏み切りで亡くなった。遺した話題句は、
鐡階にいる蜘蛛知慧をかがやかす (蛇)
空井戸あり繃帯の鶏水色に (虚像)
犀の...
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2008/06/14 15:41 |
林田紀音夫について
「俳句界」平成20年6月号に、無季俳句の雄「林田紀音夫」を書きました。
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2008/05/24 09:33 |
氷河と俳句
私のささやかなブログで一番訪問者の多いのが氷河の写真です。それは2006年9月8日に公開したものですが、JCCCA(全国地球温暖化防止推進センター)という団体を通じて、ご希望の方々に画像を提供しております。
俳句を趣味している私としては、その写真に俳句をつけて、今流行の写俳のまねごとをして見ようと思いました。
こんなのは如何でしょうか。氷塊が神々しく見えたものです。元日でしたし・・・。
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2008/05/18 17:39 |
俳句漫評5−横光利一の俳句
小説家横光利一は俳句が好きだった。俳句的表現手法を小説にも使ったし、「新感覚派」と呼ばれる彼のモダンな映像的手法の小説は、逆に俳句界にも影響を与えた。ときは新興俳句が興る時機と符合している。十日会という句会を作ったが、石田波郷はその仲間であった。横光の俳弟子であったと言ってもよい。学資まで出してくれた水原秋櫻子の元を離れた波郷が、しかし、無季・口語化を指向する新興俳句派と一線を劃し、韻律を重要視したのは横光の影響であると言われている。
その横光の一句は、何と言っても
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2008/05/07 23:04 |
福田甲子雄の俳句探訪
いま、福田甲子雄の俳句を勉強している。読んで行くと、山梨の「風土」を詠んだ俳人と言われるだけのことはあるが、それ以上に「土地の人や家族」・・・つまり人事を詠んでいる。そして、それは昔の「大家族制度」の香りを運んでくれる。
平成17年に亡くなったが、術後の小康を得たころ、敬愛する飯田龍太が見舞いに来てくれた。そのときの一句はすばらしい。師弟愛をわずか17音でこんなにも見事に詠んだ句を私は知らない。
わが額に師の掌おかるる小春かな
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2008/04/29 23:27 |
広瀬直人主宰訪問
ひょんなことから「白露」主宰の広瀬直人先生を訪問した。主役は家内で、私は介添役であったが、面白い話をお聴きする機会となった。ふたつだけ紹介しよう。
ひとつは、
「龍太先生には、俳句を手取り足取りして教わった訳ではないが、ときどき大切なお話しを聴きました。そのなかにこんなのがありましたよ。『我々の句の対極にある句をも読んでおくべきです。たとえば林田紀音夫などのをね・・・』。自分の作品に幅ができますからね。真似すれということではないですけどね」
このお話しは、私が新興俳句作家や戦後の赤尾兜子・...
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2008/04/20 12:35 |
俳句漫評4−類句(その4)
俳句漫評(3)ー類句(その3)の続きである。
冬眠の熊ごと山の売られけり(先句、大島雄作)
の句である。これをM県の大会に出したSS氏のことは、個人情報守秘義務があるため、お教えできない、とのM県の尤もなコメントがあった。そこでインターネットで調べてみた。するとこの方の別の句が、日本全国各地でぞくぞく入選していることが分った。俳人協会全国大会・現代俳句協会全国大会・XX県俳句大会・○○市俳句大会などなどである。八十歳以上の高齢の方で、投句専門の俳人のようだ。
私は、大島雄作氏にこの句...
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2008/04/17 09:33 |
俳句漫評3−類句(その3)
ある友人のお話し。句会で面白い句に出会って、彼は躊躇なくその句を選んだ。句は、
冬眠の蛇ごと山の売られけり(後句)
である。私も諧謔性のある句だと感心した。ところがその後友人は、「俳句研究」平成18年12月号に、
冬眠の熊ごと山の売られけり(先句、大島雄作)
を発見した。最近のベスト三句を問うアンケートに対する伊藤伊那男氏の回答で、大島雄作氏の「熊」の句を推奨していたのだった。時系列から考えて、「蛇」の句は先句の「熊」句を知っていて、これに依拠したものと思われるのだ。「...
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2008/04/13 21:23 |
俳句漫評2−類句(その2)
前記事に櫂未知子の次の句を掲げた。しかし、その解釈が安易であったことを知った。坂口昌弘の『句品の輝き』によってである。
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2008/04/08 14:12 |
俳句漫評1ー類句(その1)
「ちるさくら海あをければ海へちる」を若い頃に詠んで有名になった高屋窓秋を調べていたら、次の句に出会った。昭和58年、73歳のときの句である。
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2008/04/05 07:33 |
村越化石さんー山本健吉文学賞受賞決定
平成20年2月の末、山本健吉文学賞が村越化石さんに贈られることが決まった。角川俳句賞や蛇笏賞など俳句作家に与えられるあらゆる賞を受けた氏であるが、今回の受賞は、昨年8月末に出された第8句集『八十路』に対してである。
私が初めて化石さんと奥さんのナミさんを草津の栗生楽泉園(ハンセン病療養施設)に訪ねたのは、平成17年だった。当時「俳句界」の編集長だった山口亜希子さんが連れて行ってくれたのだ。その後、化石さんの故郷静岡県岡部町をめぐる哀しくも美しいお話を取材する機会を得、小文を書いた(「俳句界」平...
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2008/03/31 10:17 |
新興俳句の女流ー藤木清子
昭和15年に日野草城の「旗艦」を去ったまま消息不明の女流俳人を調べています。
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2008/03/27 16:54 |
拙著『頼朝とその弟たち』の障害者むけ録音資料
昨年9月に刊行しました拙著『頼朝とその弟たち』は、お蔭様で多くの方々に読んで戴けましたが、今般、東京都大田区の区立図書館から、視覚障害者のため、この本の口述録音版ができたとの連絡がありました。目の不自由な方々のため、このようなサービスがあることを知りました。
もし、お知り合いに目の不自由な方がおられましたら、お勧め戴きたく思います。全6巻だそうです。図書館の電話は、03−3758−3051 です。
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2008/02/27 16:21 |
白虹・その人と俳句
新興俳句の流を受け継いで活躍した俳人横山白虹について、文學の森社刊行の「俳句界」平成20年3月号に書きました。金子兜太さん・宇多喜代子さん・阿部完市さんや白虹のお嬢さんであられる寺井谷子主宰などなど多彩な顔ぶれの方々と一緒に掲載されております。本文も添付します。宜しかったらお読み下さい。
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2008/02/25 20:19 |
「渡邊白泉探訪」その後
渡邊白泉を探訪した記事は、以前刊行の拙著『俳人探訪』(文學の森社)に掲載されていますが、今般俳句同人誌「円錐」(澤好摩編集)36号に、「白泉探訪その後」として、小文を掲載致しました。同誌は、澤氏(03−3645−0038)より入手できます。
全文は以下の通りです。
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2008/02/19 22:20 |