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平成20年2月の末、山本健吉文学賞が村越化石さんに贈られることが決まった。角川俳句賞や蛇笏賞など俳句作家に与えられるあらゆる賞を受けた氏であるが、今回の受賞は、昨年8月末に出された第8句集『八十路』に対してである。 私が初めて化石さんと奥さんのナミさんを草津の栗生楽泉園(ハンセン病療養施設)に訪ねたのは、平成17年だった。当時「俳句界」の編集長だった山口亜希子さんが連れて行ってくれたのだ。その後、化石さんの故郷静岡県岡部町をめぐる哀しくも美しいお話を取材する機会を得、小文を書いた(「俳句界」平成18年4月号および拙著『俳人探訪』参照)。その取材は、化石さんの作品と人生と人柄に感動し、化石さんの60年振りの帰郷旅(2泊3日)を実現させた三浦晴子さんほかの方々のお話しを聞くのが目的だった。その後、何回栗生園を訪ねたであろうか。その都度、目が不自由で歩行も困難な化石さんが話される言葉を一言も聞き逃すまいとしたものだ。 化石さんは、あれから岡部に帰っていない。今回の受賞を機に、もう一度帰してあげたものだと私は思っている。 化石さんから『八十路』を贈っていただいたとき、私は失礼を顧みず、好きな句を抜書きして送った。そのうちの一句だけを掲げよう: 裸木の側にしばらく居てやりぬ |
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magazinn55 2008/04/08 10:52 |
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